2010年の記念すべき[10周年記念Collection・1]で製作させて頂いた
「KYON2-1号B」黒刺繍漆鳳凰四季花御所車模様。
アトリエで2年間、静かに嫁ぎ先を待っていた甲斐がありました。

やはり、想いを込めた大作は、その価値をわかって下さる方の元に嫁いで行ける
運命なんだと、13周年のその日に嬉しいメールを頂き、確信致しました。

Facebookでお友達リクエストを頂き
「あ・うん」のファンになって頂いた馬場和子さん。
古布リメイクのマニアという事で、30年近くもの間、古布リメイクのお洋服を集めて
いらっしゃるという事なので、生地のレア度や、美しさ等は、
充分わかっていらっしゃいますよね…。
なので、お嫁入りが決まった時も寂しさはあったものの、
安心して嫁いで行けると内心ホッとしたのでした。

もとコピーライターさんという事で、あまりの素晴らしい感想メールに
これは、13周年の神様からの奇跡の贈物だと感じました。
みなさまにも想いが込められた素晴らしい感想メールを、ご一読頂ければ幸いです。



2012年10月8日 21:27 件名:奇跡のめぐり逢い
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あ・うん様

届いています。

あ・うん様とのはじめてのご縁の一着
「KYON2-1号B」黒刺繍漆鳳凰四季花御所車模様。

お洋服は、みて、ふれて、着て買う、そうポリシーがありましたから、
ネットではよほど確めたサイトでないと買いません。

Facebookで、あ・うん様の生地やお洋服、眺めさせていただいて楽しんでいました。
私は、古布リメイクのマニアですから、ホームページを拝見させていただきました。

古布リメイクは、30年近く集めていまして、何十枚もありますが、
でも結局、どんなに生地や柄がよくても、着心地が悪いものがあり、
そのまま着ずに飾られたり、しまわれたりのままのものも何枚もあります。

この年齢で、古布リメイクについて、いきついた結論は、
美しいだけではなく、古い着物が生まれ変わった着心地。
着なければ、意味も価値も私にはありません。

今年、さがしていたのは、伝統職人の力ある一枚です。
友禅、留め袖などは、絢爛豪華でも、着た時に無駄な派手さやギラつきがない、
それが職人技のなせる品だと思っています。

あ・うん様のホームページの生地から拝見させていただいていました。
次々に出てくるsold out 、その中で、目に入ってきた生地、
拡大しながら眺めて、見つけた!これだ!
でもこれだけの生地のお洋服はもうないだろう、一着へととびました。

BUY NOW……嘘かと思いました。
なぜ、残っているのかと自問自答の繰り返し。
しかもほしいアウター、コート。
伝統職人の古布がこれだけ生かせてあるのは、言葉に尽くせぬ布との出逢いがあり、
そうそう見られるものではありません。

見た目は大きく見えるようですが、私は小柄なので、着丈などを確認し、
実際にふれて着ていないものをお嫁にいただくには、相当のためらいがありました。

でも、今、求めてきたのは、この柄、この世界。
ネットでは買わない私ですから、
清水の舞台から飛び降りる気持ちでお迎えすることに決めたのです。

届いてすぐ、ひらくと、ため息のでる美しい生地。
間違いなかった。
私には大きいかと思っていましたが、違います。ベストな丈。
着てみて、え?と思いました。
大袈裟ではなく、すうっとからだになじんでいく、しなやかさ。
快適を超えた、快感。
なんという着心地のよさ、すばらしい。

シルエット、デザイン……スタンドカラーに咲いている一輪のあかい花、絶妙。
みごとなお仕事をなさる、これがプロだと感動と喝采がわき上がりました。
リバーシブルで、場所と時にあわせて、片面の漆桐鳳凰模様の上品さ。
一気に眠っていたスタイリング、着こなしへの喜びがあふれてきました。

九州に舞い降りてきてくれた、神の使い、鳳凰。
マニア歓喜、至極の一着。
よく待っていてくれた、よくお嫁にきてくれた、
そう愛でながら、共に過ごしていく家族として、お迎えさせていただきました。

十周年時の大作とは、あとで知りました。
惜しまれながら嫁がされましたおもい、受け止めさせていただきました。
ありがとうございます。

心を込め、古い伝統の着物に新しい息吹きを吹き込まれ、生まれ変わらせられた、
あ・うん様しかなしえなかったお力に、心底、納得させられました。

私の古布リメイクのコレクションの中で、極上の一着です。
時をこえ、距離をこえ、奇跡的なめぐり逢い。
幼い頃から着物をみてきて、お洋服には鍛えられてきてよかったと
本当に思いました。
待ち望んだ、これこそ、古い着物のよみがえった証です。

感極まってながくなりました。
不要な文はご割愛ください。

今後とも、どうかよろしくお願いいたします。
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馬場和子様!この度は、素晴らしい感想メールを送って頂き、
誠にありがとうございました。
[10周年記念Collection・1]の代表作で、想いを込めた我が娘は、
正直このままアトリエにいて欲しかったくらいでした…。(笑)
嫁に行けなかったというより、和子様に出会うまで、
アトリエで静かに和子様をお待ちしていたのだと、心の底から思いました。
これぞ、まさに「奇跡のめぐり逢い」ですよね。

数々の心に響く素晴らしいお言葉に頷きながら、
何度も何度も読み返してしまいました。

こちらこそ、この素晴らしい出逢いに心より感謝の気持ちでいっぱいです。
今後とも、どうぞ幾久しく宜しくお願い申し上げます。


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